あえてブルー。
「これは売れない」
と、ポカリスエットは企画段階で反対されたらしい。
疲れた医者が、点滴液を飲んでいるのを見て「点滴液で栄養補給はイケる」
と思いついたと言う。
当時、アメリカではゲータレードが売れていたので、真似ではあるけど。
で、試作すると「不味い!」と、不評だった。
僕も初めて飲んだ時「よだれを飲んでるみたいだ」と思ったもの。
流石に、果汁を少し加えて飲みやすくはしてるけど、美味しくはなかった。
でも汗をかいた時の栄養補給だから、美味しくなくてもいい。
そんなコンセプト飲料だからね
オロナミンCを置いている店に持っていっても、断られるレベルの味だった。
コカ・コーラも、最初はひどい味だと思ったのを思い出す。
デザインもブルーと白だ。
海、雲、波とかをイメージしたのだけど、これも反対された。
青は、毒の色だから飲食には向いていない、と。
いまでも、これは同じである。
青い豚まんがあったけど、あれはないよね。
コカコーラが赤白なのは、理由があるのだ。
どうやって理解してもらうか?
試行錯誤した結果、
無料で試供品を配りまくった。サンプリング無制限のカケに出たのだ。
スポーツ大会なんかで…。3000万本もね。
第1回ポカリスエット・イメージガールは、ちなみに森高千里である。
歌手じゃなかったんだ。なるほど。
石原裕次郎が入院している時「ポカリスエットが飲みたい」
と、言ったのがブレークスルーのきっかけである。
そこからは爆発的に売れ始めた。
『ステージキッズ』『炊けるんです』『月見めし』もブルーオーシャンな市場だけど、
ポカリスエット話は、参考になる。
文:紙本櫻士
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