
テレビの広告費首位は、1996年と意外と最近なのだ。
すっと新聞が1位だった。
確かに広告を考える時、まず雑誌、新聞への掲載を検討してたように思う。
テレビより安いからね。単純に。
それに、
どんな読者がいるのか?
どれくらい発行部数があるのか?
など、雑誌、新聞はターゲットを絞りやすいのだ。
新聞の場合なら、関東北部とか大阪地域版とか料金や読者層をさらに絞り込むことができて便利なのだ。
ゲリラ広告としては、ポスターが面白い。
営業をかけたい大企業の社員が通る駅に、目立つ大きなポスターを張る。
すると、前を通る人たち、全国にポスターが貼られているような錯覚を覚える。
浸透した頃に、
「この商品なんですが」と、起業の担当者に持ち込むと、
「ああ、これ知ってるよ」と、なるわけだ。
この手は何度か使ったけど、営業アシストとしては効果的だった。
さて、テレビである。
番組や時間帯によって、視聴者をある程度絞りこめるけど、雑誌や新聞より広い層に訴求できる。テレビは、圧倒的な宣伝力があるのだ。
というのが、1996年までだ。
現在、一ヶ月、テレビを全く見ないという10代、20代が増えてきている。
見ているのは60才以上の高齢者で、いずれ、彼らはいなくなる。
大人のお洒落なオムツのCMが、ゴールデンに流れるなど最近までなかった。
いまやは、補聴器や白髪染のCMが普通に流れている。
若者向けの広告が全盛期だったのは、80年代までである。
明らかに、視聴者の質が変わってきている。
80年代の若者は、50代、60代になってしまった。
WEBにテレビ、雑誌、新聞から人が流れてきている。
「WEBの広告なんて」思っていた広告マンたちは、WEBでどう目立とうか、にシノギを削り出している。
雑誌や新聞で得られる情報は、WEBでも読めるし、自分が知りたい情報を選べるのが素晴らしいのだ。
「選べない」媒体から「選べる」媒体へとシフトしている。
今は過渡期なのかもしれない。
テレビも雑誌も新聞もなくならないけど、未来の広告はガラッと変わるのだ。
文:紙本櫻士
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