花形コピーライターはどこへ行ったか?

広告は届いているか?

 

僕は、長文で説得するコピーを書くのが好きである。

ウンチクを語るやつとかね。

でも、コピーライターの花形はキャッチコピーだろう。

80年代、コピライターたちは元気だった。

 

「恋が着せ、愛が脱がせる」(伊勢丹)

「十歳にして愛を知った」(ライオンファイル)※ 小学校4年生で「愛」という漢字を習うから。

「よろしく!」(矢沢永吉)

「不思議、大好き。」(西武)

「昨日は、何時間生きていましたか?」(パルコ)

「少し愛して、なが〜く愛して」(サントリーレッド)※サントリーレッドは、本妻じゃなくてお妾さん。なので、大原麗子なんです。

 

どれもポスターにはめ込むと、むっちゃカッコいい広告になる。

糸井重里さんが書いた「不思議大好き」や「おいしい生活」は、その後に膨大な長文コピーを作って畳みかけてくる。

糸井さんは、どちらかというと長文が得意なタイプだ。

 

80年代、コピーライターは脚光を浴びたけど、次第にキャッチが届かなくなってきて久しい。

「ベンザエースが買ってください」あたりになると、そーきたか。と思うけど、ちょっと苦しい。

どうも花形コピーライターの、キャッチが通用しなくなってきている。

インターネットの登場も無関係ではないのではないか。

誰でも発信者になれ、大企業と同じ土俵で戦える時代の到来が原因かもしれぬ。

小説だって漫画だって、自分でどんどん発表できるし。

キャッチを書いてボスターを作ることが、特別なことではなくなった。

とはいえまだ、僕には見えていないけど新しい切り口はあると思っている。

渦中にいると、分かりにくいだけなんだ。

 

※写真は『a・Ha』という漫画雑誌の僕のプロフィールである。コピーライターだけどSF小説連載していた。横須賀生まれじゃないし、むっちゃテキトー。なぜか、訂正はしなかったんだ。

 

文:川はともだち 代表 紙本櫻士

 

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