手の内
ビジネスコンテストに出ると、当然ビジネスのアイデアを開示する分けだけど、素晴らしいアイデアなら模倣される。
どうぞ、パクってください。
という、コンテストが存在するのが、ずっと不思議なのだ。
優勝賞金が一千万とかだったりするが、そんなに優れているならベンチャーキャピタルなり、投資家なりが放っておかない。
なので、情報開示の対価としてどうかと思っている。
主催者の商工会議所などが、会員を応援する趣旨は分かる。
おそらく優勝者は素晴らしいアイデアなわけで、そのままパクれば事業探しに困っている人は、容易に新事業を立ち上げることができるではないか。
しかも、事業計画書の提出まで要求されるから驚きである。
起業でごはん! ですら書けないことだらけで、これでも書きすぎだとパートナーに怒られてるくらいだ。
とはいえ、文章はどこまで言いたくないことに迫れるかのせめぎ合いである。
言いたくないことが、一番、人が聞きたいことだったりする。
誰が読んでも問題ない文章などは、行政が出すパンフレットである。
砂を噛むような内容を読まされるのはつらいでしょう?
Facebookのマーク・ザッカーバーグは「アイデアを盗用した」と、ハーバード大学の先輩に訴えられた。
最終的には和解になり、彼はかなりの額を先輩たちに支払ったようだ。
アイデアの盗用が訴訟の原因だが「こんな風にすれば面白い」と、先輩がマークにFacebookの原型を依頼したようなのだ。おそらく、ギャラも発生している。
ゼロから1を生み出すアイデアは、貴重だと思っている。
それは、未来を知る鍵だ。
マーク・ザッカーバーグも未来が見えていたのだろう。
おそらく、先輩たちよりはっきりと見えていた。それでなければ、Facebookは造れない。
先輩たちにみえていたかどうか…。
ビジネスコンテストの優勝者に未来の鍵を持っている人がいたら、優勝した時点で自分の未来を売っている。
とても、不思議なコンテストだと思う。
文:紙本櫻士 イラスト:中原中也猫
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