昭和のヒット商品。
だっこちゃんは、1960年に宝ビニール工業所が販売を始めたビニール人形である。
今見てもてもインパクトのある人形で「何これ?」と、目立つデザインだと思う。
しかも、腕にしがみつくのだから面白い。
腕につけて歩き回る女性たちが、ブームに火をつけた。ファッション・アイテムのひとつと、彼女たちは捉えたのだ。
だっこちゃんは、売れに売れた。
どこの玩具屋さんでも売り切れで、行列してやっと手に入るくらいである。
この成功で宝ビニール工業所は、現在のタカラトミーとなったくらいだ。
アメリカンクラッカーという玩具もブームになった。
だっこちゃんの10年後、1971年発売である。
ヒモの先に硬いプラスチックのボールがついていて、カチカチを鳴らして遊ぶ。激しく動かすと、トリッキーなパフォーマンスもできた。ただ、頭に当たったり危なっかしい(僕も頭に当たって痛かったのを覚えている)。
だっこちゃんと同じように、急に出現して急に姿を消した。
作りすぎたのだ。たぶん。
1980年代に流行った、ルービックキューブも似ている。
急に流行って、急に姿を消す。ただ、アメリカンクラッカーは、現在、店頭で見かけないけど、ルービックキューブはひっそりと売られている。
ヒットした玩具に共通するのは、見たことないモノ、インパクト、能動的だろうか。
ただ、眺めるより、能動的なモノがいい。
フラフープもそうだよね。
最近、ヒット商品について考えている。
で、玩具のヒットにヒントがあるのではないか、と思っている。
見たことないモノと、インパクトは足し算で、そこに能動的を掛け合わせると、ヒット商品になる。
(見たことないモノ+インパクト)×(能動性+機能)=気分
気分の方程式。
Amazonは、ネットを使った見たことないサービスで、ネーミング、ロゴ(『amazon』)にインパクトがあり、能動的だ。
YouTubeや、楽天も同じ構造だと思う。
楽天の品のないインパクトは、もはや、戦略だろう。ドンキホーテ的と言うか。
つまり、見たことないモノで、インパクトがあり、能動的な商品を夜に出せばいい。
芸術の世界はちょっと違うようだけど、ヒットに関しては似ているかもしれない。
それができないから、大変なんだけどね。
文:紙本櫻士
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