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おくりびとに、ステージキッズ。

おくりびと(納棺師)に

「軽自動車に、ステージキッズは積めますか?」

 

と、訊かれたことがある。

二年前だったと思う。

その時のステージキッズは、畳んでも軽自動車に積むのは、難しかった。

外枠が後ろから運転席まであるのだから仕方ない。

写真は、僕の部屋に積まれた外枠だ。

長いでしょう?

置いてある時、部屋が死んでたくらい長くて、でかくて、重い。

 

「もっと短くして、持ち運びも便利にできませんか?」と、製造元の社長にお願いしてみた。

しかし「無理だと」一蹴されてしまった。

無理と思ったら、不便なままである。けど、開発を止めるわけにはいかないのだ。

致し方なく、ブラッシュアップができる製造元を数ヶ月かけて探し、1から造ったのが現在のステージキッズである。

 

長くて不便なステージキッズは、現在、旧ステージキッズを製造していた前の会社が勝手に売っている。これはやめて欲しい。

アジアの工場にクルマの製造契約をして依頼し

「もう作り方が分かったから、うちで売ります」

と言われたようなものだ。

契約もなにもあったものではない。

そもそも製造元が、クライアントを無視して売りに出していいのか! どん! と言いたい。

嫌な渡世なのだ。

 

余談だけど、

映画『おくりびと』が撮影された、山形の酒田市へ取材で行ったことがある。

あらすじは、こんな感じ。

プロのチェロ奏者の主人公小林大悟(本木雅弘)が、オーケストラをリストラされ、妻の美香(広末涼子)のいなかの山形に帰る。

職を探していた大悟が「旅のお手伝い」と書かれた求人を旅行会社と勘違いし応募する。それが、おくりびとの仕事だった。人に嫌がれる仕事を悩みながら続ける大悟。おくさんも実家に帰ってしまう。それでも、何かを感じ『おくりびと』を続けていくうちに、美香とも和解し、大悟が成長する物語である。

 

鳥海山をバックに、大悟がチェロを引くシーンがある。

取材先の河川敷には、大悟が座った椅子が固定されていて、そこに座ることができるようになっていた。実際に座ってみると、前は月光川河川公園の施設が広がっていた。サイクリングロードとか、長椅子とか、ゲートボールするとことかが、眼下に広がっている。

鳥海山は、後ろである。

座ってみて、絶対、鳥海山を観ながらチェロを弾くよね。と、思った。

逆に座ると、シーンのバックがどこにでもありそうな河川公園になるのだ。

監督としては、鳥海山をバックに撮りたいだろう。

ドラマの食事シーンのようなお約束的嘘がある。小さな嘘だけど。

ロケで使った椅子は、現在も置かれている。

 

文:紙本櫻士

 

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