『千人の月見の宴』を広報しないと。
記者クラブは、市役所の中にある。
常駐する読売新聞、産経新聞、朝日新聞などの記者に、直接プレスリリースができて便利なのだった。
問題は大きな事件があると、記者がいなくなることだ。
例えば、加計学園などは枚方まで影響があるらしい。
「いま、読売新聞しかいないんです」と、枚方市役所の広報担当が言う。
加計学園を追っかけて、記者クラブが閑散としているという。
「ですが読売新聞さんがいれば、心強いです。他紙の記者さんたちには、資料を渡しておきましょう」
アポを取り、昨日、記者クラブで『千人の月見の宴』について話をしに行った。
記者クラブに顔を出すと、読売新聞の山崎記者と産経新聞の桑村記者に会うことができた。
部屋の中央にある、黒い長椅子に僕とみーやんが座った。
対面に、山崎さんと桑村さんが座る。
「今年は、宇崎竜童さんが来るので、1万人の来場を予定しています」と、みーやんが説明を始めた。
「宇崎さんは、枚方に関係ある方なのですか?」と、山崎さんが訊いた。
「枚方というより、大阪にブルースのバンドを持っていて、こちらでライブをよくしています」と、僕が言った。
「お知り合いなんですか?」
山崎さんは、ノートを開いてメモを取りながら言った。
「去年演奏してくれたバイオリニストの柴田奈穂さんに、マネージャーにつなげてもらいました」
「音楽仲間のつながりがあるんですね」
宇崎さんとつながると、また、人脈は広がる。
ひとつひとつの出会いが、今の僕たちには大切なのだ。
「枚方で大きなイベントに育てるというより、淀川流域で広がっていくことを考えています。例えば、下の大川とか、上の渡月橋とか」と、僕が言った。
「四万十川とか隅田川にまで、広げたいと考えています」と、みーやんが言った。
「そんな話があるんですか?」と、産経新聞の桑村さんが訊いた。
「話は来ていますが、実現には時間がかかりそうです。月見は日本の収穫祭です。アメリカの収穫祭のハロウィンに負けてる場合じゃありません」と、僕が言った。
「この写真は、本物ですか?」と、山崎さんが訊いた。
「もちろん」と、僕が言った。
辰巳満次郎さんが、月下で舞う『融(とおる)』の写真だった。
写真の見事な月は、奇跡的に晴れたから撮れたものだった。
台風が近づいていて、中秋の名月の日に奇跡的にそれてくれたのだ。
2015年9月17日(日)は台風の特異日で、統計上台風が上陸する確率が非常に高い日だった。海上をぐるぐると上がってくる台風を見ながら、僕たちは気が気でなかったのを覚えている。
野外イベントは、天候に苦労する。
でも、それだから価値だってあるのだと思う。
ステージキッズの開発の話や、クラウドファンディングについての情報を記者たちに伝え、僕たちは記者クラブを後にした。
去年、『千人の月見の宴』が終わった時、次はまだまだ先だと思っていたけど、もう、8月である。
光陰は、矢みたいなもの。というのは本当らしい。
僕たちの熱い夏は、これから。
文:川はともだち 代表 紙本櫻士
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