使いみちのない大発明。

「すごい特許だけど、何に使うんだ?」

 

昔、特許事務所でアルバイトをしたことがある。

所長は、商標が専門で一日に商標出願を50件とかこなしていた。商標の専門家だった。

そのおかげで商標について、ずいぶん詳しくなった。

出願どころが、意見書が書けるほどである。

 

その事務所にいた若手弁理士が「これ、使いみちが分からないんだよね。大特許だと思うけど」と、言っていたのを覚えている。

極性のない磁石だと言う。

「なんかない?」と、言われても思いつきもしなかった。

 

なんでこの話かと言うと、ついさっき電話でこの磁石の使いみちが判明したからだ。

電話の相手は、広告学校時代の友だちで『ピープル』という玩具会社に務めていたAさんである。

 

「ピタゴラスって玩具があるんだけど、いま、アメリカで馬鹿売れしてるんだ」と、Aさんが言った。

そこに双方向で反発しない磁石が使われている(あ、あの磁石だ)。

日本ではあまり売れなかったんだけど、ニューズウィークで紹介されて全米で大人気だそうだ。

発明者へのロイヤリティーがかなりあると言う。

 

余談だけど特許といえば、ドクター中松が妙な発明を連発していたのを思い出す。

友人の審査官から、却下された中松さんの面白特許を大量に見せてもらったことがある(もちろん、誰もが閲覧できる資料だ)。

『不良少年を厚生させる方程式』だとか、『お酒をやめる数式』だとか、よく覚えていないけど、確かそんな特許の連発だった。基本、特許など取れないものばかり。

なぜ、お金をかけてそんなの連発するんだろう? と、不思議に思った。

でも、その数式を見ると、説得力があったのを記憶している。

親への不満÷自尊心とか数式が書いているんだけど…。

 

極性のない磁石は大特許だけど、作ってみて使いみちが分からないのが可笑しい。

おもちゃに使えたんだね。

今頃、納得。

 

文:川はともだち 代表 紙本櫻士

 

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