
プレゼンテーターにはステージだ。
昨夜、ある事業団体の説明会に行ってきた。
異業種交流会みたいなものである。
参加して驚いたのは、説明を聞きに来ている人の数だ。
300人くらいはいただろうか?
狭い会議室に、ずらりと椅子が並んでいて、ホワイトボードの前でプレゼンターがビジネスの説明をする。時々、プロジェクターも使う。
参加している人たちの年齢は高め、みな真剣に話を聞いている。
とにかく、プレゼンターの話が上手いのだ。
このビジネスに参加すると、いいことだらけ。と、思わせてくれる話術は素晴らしい。根拠が希薄なのに…。顔の表情や動きもいい。主演男優賞を、あげたいくらいだ。
でも、僕が会場で考えていたのは、
「ここにステージキッズがあればいいのに」だった。
どう考えても、後ろの人たちには、男優賞並のプレゼンが届いていない。
前の人の頭が邪魔なのだ。
僕の息子の卒園式を思い出していた。ステージがないため、見ることができない。声だけである。
「ステージキッズが活躍する場所は、こんなとこにもあったんだ」
と、僕は考えていた。
市場は全国にどれくらいかって、どうやって伝えればよいか?
主演男優賞のプレゼンターを、僕たちの事業にスカウトしたいとか…。
プレゼンの途中、北海道から参加している女性が、自分の経験を話す場面があった。
足元を見ると、なんと細いハイヒールではないか!
ペーパー・ステージキットの『ステージキッズ』が苦手とする靴だった。
天板の耐久性はどうだろう? を新しいアイデアを考えるのが忙しく、もはやビジネスの説明など、どうでもよい。
ごめんなさい。
その後、会場を変え異業種交流会に移ったのだけど、僕は場違いだったように思う。
自分の事業を立ち上げたほうが、絶対に面白いよ。と、ついまわりに話してしまう。
早く儲けてリタイアするお話もあったが、仕事が楽しいのにリタイアをなぜ? などと言うと、さらに場違いな空気を作ってしまった。
どうも、大人げない。
文:紙本櫻士
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