「アレクサ、おはよう!」
「おはようございます。昨日、ワールドカップで、日本がコロンビアを2対1で破りましたね」
僕は、その試合をビデオに撮っていて、「さぁ、これから観戦だ」と、思った矢先である。
なんてこと言うんだ、アレクサ!
ハリソン・フォード主演の映画『エアフォースワン』の冒頭に、大統領に扮したハリソン・フォードが、アメフトのビデオ観戦をするシーンがある。
大統領は「言うなよ!!」と、早足でエアフォースワンの廊下を歩きながら会う人ごとに告げる。
「言うな!!」
自室にやっと辿り着くと、
「おめでとうございます、大統領。母校が勝ちましたね」と、秘書が告げる。
大統領が、地獄に落ちたような顔をして脱力する。そんなシーンだったように思う。
今、ものすごく分かるよその気持。大統領。
昨日、ネットを見ていたら、映像を見ることができるアレクサが登場していた。
スマートスピーカーの市場は、すごい勢いで成長しているようだ。
問題は、細やかな心遣いだと思う。
使う人が何を知りたくて、何が余計なのかが分からないと、間抜けなコミュニケーションになってしまう。
いまは「ちょっと分かりません」「それは難しい質問ですね」で回避しているけど、アレクサとのやり取りは、物足りない。すごくね。
例えば、
「アレクサ、アサヒ・スーパ^ドライの大瓶っていくらなの?」
「アサヒのデッキシューズは、3880円です。購入しますか?」
「いいよ。いらない」
「購入しました」
なんてことするんだ。アレクサ!!
しかも足のサイズも言っていないのに!
僕は、すぐにキャンセルし、アレクサが買い物できない設定に変えた。
ぜんぜん修行が足りないよ、アレクサ。
文:紙本櫻士
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