
お金をかけずに、目立ちたい。
そりゃ、PRするしかない。
なにしろお金がないのだ。どーんと広告などできないのだ。
ブログやFacebook、ツイッターもPRのひとつだろう。
ネットがなかった時代は、新聞社や雑誌社に新製品ができるとFAXを送っていたものだ。
僕は、ライターや記者の立場だったから、山のように送られてくるFAXに目を通す。
熱心に見るのは、ネタがないときである。
記事にすることはほぼ決まっていて、しかも、締切に追われていたりする。
FAXを送っても、効果がない場合が多いのだ。とはいえ、いいものは記事にするけど。
また、おねーさんを連れて、編集部で挨拶回りをするなんて泥臭いことも行われていた。でも、これってダメな営業じゃなくて、実際に会ってみると「この娘いいじゃん」と、ピンとくることもあるのだ。
ずいぶん前だけど、路傍の麺党という全国の立ち食いうどん、そばを紹介するお遊びの企画をやってたことがある。党首は、よく一緒に仕事をするライターの佐藤さんだ。入党は、カメラマンの宮地工さんからの誘いだった。
「いまなら、そく幹部だよ」などと、飛行機で移動中に宮地さんに言われ、僕は関西管区幹事長とかになっての参加である。
党の活動は、路麺屋を見たら食し、取材する。そして毎年、立ち食い麺の1位を決め、表彰し、小学館から本を出版していた。
表彰式には、当時勢いのあったイエローキャブの娘たちが、立ち食い屋の親父に水着で花束を送ったりする。結構、派手に表彰式を開催していた。
それも、記事になる。フラッシュかフライデーかは何かか忘れたけど。
いまから思えば、これは面白いPRだった。
ライターやカメラマンたちも自分をPRできるし、面白がりながら本も出版できる。
楽しいところに、人は集まるのだ。
記者をやっていた時、送られてきたFAXに「楽しそう」「面白そう」な匂いがある製品を記事にしていたように思う。
「これって、金儲けだけでやっているよね」という、志が低い製品ではダメだ。
夢があったり、楽しかったり(一見、ふざけているくらいがいい)、見たことなかったり、ワクワクしたり、がPRのキーワードなのかな。
文:紙本櫻士
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