ウォークマンが、輝いていた。

音が進化した。ヒトはどうですか?

 

『音楽を聴きながら、瞑想するサル』で話題になった、ソニーウォークマンのCMのコピーである。

コピーを書いたのは、中畑貴志さん。

「おしりだって洗って欲しい」(TOTO)

「ベンザエースを買ってください」(武田薬品、小泉今日子で話題になったね)

などが、中畑さんのコピーだ。

 

CMに登場するおサルさんは、『周防さるまわしの会』のチョロ松くん。

ウォークマンを聴きながらゆっくりと目をつぶるシーンは、強いメッセージを僕たちに送ってきた。

うっとりというか、哲学的というか、とにかくこのCMを見て僕たちはウォークマンが欲しくなった。

実際は、長時間のCM撮影に疲れて眠ってしまったところを撮ったらしいのだけど…。

 

当初、録音ができない再生専用のオーディオ・プレーヤーは売れないよね、という商品だった。

それから認知されるまでが大変で、でも、いったん使い方が分かると独壇場である。他にないから、それを手に入れるしかないし。

 

同じくインターネットの登場や、メールの便利さも、登場した時は分かってもらえなかった。

 

「私書箱みたいな場所に、パソコンから手紙を送れるんだ」と、僕は友人に説明したことがある。80年代のことだ。

「君が僕にそれを送って、それを読まないといけないの?」

「スゴイと思わない?」

「面倒だよそれ」と、友人は言った。

メールがいかに便利かを説明するのは、難しいのだった。

当時はパソコン通信が主流で、インターネットも分かってもらえなかった。

ニフティーサーブやPCVANがあれば十分で「インターネットなんて不便だし、いらない」と、何度も言われた。

結構、悔しい。

「それは、そーかもしれないけど…」

ディベートに負けた感じである。

 

ステージキッズをいま、僕は説明中だ。

絶対、便利だよ。と、

上手く伝わるかな…。

 

文:川はともだち 代表 紙本櫻士

 

千人の月見の宴

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