安藤忠雄に訊きいてみた。

青春は続いてる?

 

昨夜、安藤忠雄の講演を聞いた。

「この家は、中にいても雨が降ると傘をささないといけない。自然を感じることができますけど」

と、安藤さんは言う。

中庭なのか、家の中なのかが、曖昧な建物だった。

日本の縁側のように、外なのか中なのかを曖昧に設計なのかもしれない。

 

「なぜ、一軒家を建てて住まないのですか? と言われるんやけど、マンションが便利ですよ。なんでも手が届くところにあるし」と、安藤さんは言う。

薄暗い会場で、安藤さんはスライドで自分の作品を紹介しながら講演は進む。

 「東京ドームなんて屋根があるからいけません。あんな年中野球ができるなんて、つまらないでしょう。大雨が降ればやめればいい」

 

安藤さんは、そう言うと次の家をスライドに写した。

「総予算が一千万くらいなんですが、夏は暑いし、冬は寒い家です。建主さんが『寒いときは、どうすればいいですか?』と聞いてくるんですが、そんなん知らない。自分で考えればいい。服着たりして、そういう家なんやから」

素敵な家だったけど、どうやら暮らすのは大変らしい。

安藤さんが、僕は住みたくないわ。と、おどけて言う。

 

最近、札幌に頭部だけが見える『頭大仏』という大仏が鎮座する霊園を設計したと言う。

大きさは、鎌倉大仏とほぼ同じくらいの大仏だ。

「北海道の新名所に」という、オーダーだ。

そこで大仏のカラダを回廊で覆い、遠くからは頭部だけが見えるようにした。

夏はラベンダー畑から顔を出し、冬は雪の中から顔を出す。頭には雪が乗っていることだろう。

「面白いでしょう?」と、安藤さんは紹介する。

 

茨木市に、安藤さんの出世作『光の教会』がある。

安藤さん得意のコンクリート打ちっぱなしのデザインである。

十字架に見える穴から差し込む光が、美しい。

「ガラスが入ってるんです」と、安藤さんは残念そうに言う。

それを聞いて、あの十字架は穴だったんだ。と、僕は気づいて驚いた。

だって、蚊とか虫が入ってきそうだし。

ここも住みにくい。教会だから住まないだろうけど…。

 

淡路島にある『本福寺水御堂』は、僕が好きなデザインだ。

初めて見た時は、よく造ったな。と、思ったのを覚えている。

屋根のかわりに、楕円形の蓮の池が据えてあり、池から人が入る構造になっている。

当初、檀家も住職も大反対されたらしい。

そりゃそーだろう。

 

安藤さんに訊いた。

「光の教会とか、淡路島のお寺とか、北海道の大仏とか、宗教はデザインの冒険がしやすいのでしょうか?」と。

 

「そういうわけじゃないかな。うーん、宗教じゃなくても面白いことができるから」

少し考えながら、安藤さんは短く答えた。

 そう言えば、

「冒険する人は、青春が終わらない」と、安藤さんは講演中何度か繰り返していた。

 

青春は、まだ続いている? と答えを聞きながら、僕は考えたのだった。

 

文:川はともだち 代表 紙本櫻士

 

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