月見の風習が広まったのは、唐代の頃かららしい。
中国の流行りを聞いて、日本に伝わったのは平安時代である。
満月を愛でるのは縄文時代からあったようなので、わりとすんなり中秋節の祝い事は日本に受け入れられたと想像する。
平安時代、次第に月見の規模が大きくなり、詩歌や管弦が奏でられ杯に月を写して酒を飲んだ。とはいえ平安貴族の典雅な遊びであり、庶民には広まらなかった。
まぁ、食べるのに精一杯の人たちには縁遠かったのだろう。
月見の遊びは、なぜか室町時代に簡素になる。
室町時代って、平安に比べてどこか貧乏くさいように思う。
時代が、典雅な遊びを欲していなかったのかもしれない。
その代わり、月にお供えをするようになった。
庶民が月にお供えをするようになったのは、江戸中期頃である。
その風習が、今も続いている。
詩歌や管弦は、僕たち庶民はいまだに縁遠いけど。
中国や台湾では、中秋節は祝日である。
なぜか、中国圏の人たちは月見が大好きだ。
詩人の李白などは、水面に写った月を捉えようとして溺死したくらい。
酔っぱらいの李白のことだから、酔って船から落っこちたのだろうけど…。
現代の台湾では、バーベキューをして月見を祝うらしい。なぜだろう?
知っている人は教えて欲しい。
僕が子供の頃、中秋の名月の日には、ススキとお団子をお供えしていた。
妹がお団子を食べようとすると、母が「今夜は、お供えして明日食べましょう」と、言ったのを覚えている。
次の朝、妹が食べようとしたら、お団子はなくなっていた。
がっかりした妹に「ウサギさんが来て食べていったよ」と、母が言った。
父と母が食べたんだけど、妹は信じたようだった。
「それなら、しかたないね」と。
庶民の月見は、質素なのだ。
現在、Xmasやハロウィンに押されて、月見が霞んでいるように思う。
コスプレ好きの日本人は、ハロウィンが盛り上がるのだけど、あれは欧米の収穫祭だ。なのでカボチャが主役だったりする。
月見は、日本の収穫祭である。
ハロウィンに押されてる場合じゃない。
詩歌と管弦で収穫を祝えば、きっと楽しい。
文:川はともだち 代表 紙本櫻士
チケットぴあにて、発売開始。ネットはもちろん、電話でも買えるということで、アナログな方にも優しいのだ。
0570-02-9999(Pコード 481-199)
【人気記事】
【最新記事】
【記事一覧】
コメントをお書きください