量産型ザクと、シャー専用ザク

機能で選ぶか。

 

「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」

村上春樹デビュー作『風の歌を聴け』の書き出しである。

こいつは便利なフレーズで、結構、何にでも当てはまる。

「完璧なステージキッズなどといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」

ほら、ステージキッズにだって当てはまる。

 

完璧な音楽、完璧な体操、完璧な料理、なんにでも使えるレトリックだ。

そもそも「完全など」存在しないのだから。

 

で、この文章には完璧じゃなくても、完璧に向かって進んでいく決意とあきらめみたいなものが混在しているのが、いい。

新しいアイデアを考えた時、このフレーズを僕は思い出す。

 

簡単ステージキット『ステージキッズ』は、できたばかりである。

こうしたらいい、ああすれば、といったブラッシュアップは山ほどある。

完璧になったら売り出そう、というのは馬鹿げていて、そもそも完璧なステージキッズなど存在しないのだ。

 

1979年から放映された『機動戦士ガンダム』というアニメ作品がある。

そこに登場するザクというロボットの考え方が面白い。

リアル世界では当たり前だけど、なんでもオーケーなアニメの世界で「安く大量に生産しよう」という、発想で作られた製品なのだ。

最低限の機能を満たしていれば、いい。でも、大量に欲しい。

そんなコンセプトの製品である。

 

それに対して、特別に造られた高級バージョンが『シャー専用ザク』だ。

綺麗なレッドに塗装されていたり(わざわざ)、馬力があったり、素早かったりと、量産型とは違う例えばカローラではなく、フェラーリなのだ。

操縦すると、さぞ気持ちがいいことだろう。

 

ステージキッズも、この発想を使うと面白いと思っている。

リーズナブルに使えるザク型量産ステージキッズと、

デザインと機能にこだわったシャー専用ザク型特別ステージキッズ。

 

以前、ブログ記事に書いた美味しいモノを子供の頃に食べると、大人になって少々まずくても美味しい記憶に助けられて、食べることができる法則にも近い。

商品全体を引っ張るフラッグと、シンプルな機能だけの製品があると面白いのだ。

 

大変だけどね。

 

文:川はともだち 代表 紙本櫻士

 

千人の月見の宴

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