最近、驚いたこと。
『僕の神さま』という、連載小説を書いている。
現在、連載10回目で、順調に物語が動いている。
次どうなるかは、僕にも分からない。
登場人物たちが勝手に動いているからである。
10回目の小説を書いて編集部に送ったのだけど、なんと、新聞に前回と同じ原稿を入れてしまった。
これは、驚く。
気づいた編集者は、青くなったのではないか。
友人の広瀬などは、
「それって、編集部が誰も読んでいないってこと?」
と、大笑いしているが、担当者はそれどころではないだろう。
間違えて刷り、配ってしまった後である。
判明した日は、早朝から蜂の巣をつついたような騒ぎだった。
「どうする?」
「どうするん?」
「回収は無理?」
結局、刷り直して、配り直しをすることに。お詫びも作った。
こんな具合に…。
紙媒体の間違いは怖い。
WEBは、どんどん訂正できるけど、紙媒体はそうはいかない。
剃ってしまったら、訂正ができない。
JR東日本が出している『トランヴェール』に、寄稿していたことがある。
八戸の漁港の原稿に、僕はつい「津軽弁が飛び交っている」と書いてしまった。
八戸は、南部藩の領地で『南部弁』である。
編集部に、山のようなファンレター(苦情の手紙)が来た。
ごめんなさい。
日経新聞ではこんなこともあった。
経済評論家の堀紘一さんを取材し、原稿を書いた時のことである。
僕は締切前にデザイナーに原稿を渡し、校正、校閲、著者校も済んで
「さぁ、入稿だ」となった。
掲載は、明日の朝刊である。
すると、デザイナーが僕のとこへ来て、
「2000字を、おーしに間違って、600字と伝えてしまった」
と、彼女は青い顔をして言う。
「どうしよう?」
と、言われても…。
いまから、校正も校閲も著者校など、到底できない。
それを側で聞いていた、エディターが、
「堀さんの写真を大きくすればいいんだよ」
と、ひょうひょうと言った。
全然、動じてなかったのには、尊敬に値するエディターであった。
後で聞いた話だけど、堀さんが「こんなに写真がでかいの?」と、驚いていたらしい。
電話番号は、必ず、出稿前自分で電話をしなければいけない。
電話番号と価格の間違いは、八戸の苦情くらいでは済まないのだ。
えーっと僕の小説、読んでくださいね。
文:紙本櫻士
https://komezensen.jimdofree.com/
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