海南飯店のネギそば

定番。

 

横浜中華街にある海南飯店の『ネギそば』が一番好きだ。

もう、数十年も通っていると思う。

僕が大阪に移動してから、あまり行けなくなったけど。最後に食べたのが、おそらく5年くらい前かなぁ。

 

昔の古い店を改装して、海南飯店は新しくなったけど、それも古い話になってしまった。実は、昔の古い店が好きだったのだ。昭和の雰囲気のある店だったし。

 

支払いの時、

「そろばん使ってお勘定していた、お婆さん元気?」と、僕は訊ねてみた。

「元気だよ。もう、八十越えているけど」と、おばさんが笑顔で答えてくれた。

ことによると、娘さんなのかもしれない。

 

店を出ると、乱暴な太陽が僕を照らした。ひどく暑い。

辺りに八角や五香粉の独特な匂いが漂っていた。

 

源豊行で紹興酒を買い、次に同發に寄り、鳥を半分買うことにする。

「同發の鳥は、タレが旨いんだよ」と、友人の父親が言っていたのを思い出した。

確か、彼女の家の庭でやったお花見だったと思う。

その時、僕は手土産に同發の鳥を持っていったんだ。

ずいぶん、美味しそうに彼女と父親が食べていたのを覚えている。

 

「このタレが美味しいんだ」と、僕は、もう亡くなった二人を思い出しながら店員に言った。

大きな包丁で、トントンと鳥を刻む店員が、振り向いて笑顔を見せるとタレをいつもより多くふた袋ほど入れてくれた。

礼を言い、勘定を済ませる。

 

久しぶりの横浜なので、山下公園に行ってみることにした。

強い日差しを、数少ない木陰で避けながら海に向う。熱中症になりそうな日差しだ。

山下公園の定番は、氷川丸である。

近くまで行くと、ボーッと長い汽笛を鳴らし始めた。腕時計の針が12時を指していた。

昔から汽笛鳴らしてたかなぁ。

 

海南飯店のネギそば、同發の鳥、源豊行の紹興酒、山下公園の氷川丸は、みんな横浜の定番だ。たぶん、氷川丸の汽笛も。帰りの新幹線では、缶ビールと崎陽軒のシュウマイ弁当を食べよう。

 

現在、僕は簡単ステージキット『ステージキッズ』を販売している。

『ステージキッズ』も、定番になれたらいいな。

と、僕は汽笛を聴きながら考えていた。

どうやるかは、きっと僕たち次第だ。

 

文:川はともだち 代表 紙本櫻士

 

千人の月見の宴

 

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