
僕たちは、守られている。
理科室の掃除をする時、四角い木製の椅子を机の上に並べたのを覚えている。
しっかりした作りで、小学生の僕には重かった。
背もたれがないのは、素早く逃げることができるためだ。
例えば、過安価水素水を熱して酸素を発生させる実験で試験管が爆発したり、誤ってアルコールランプを倒して火傷をするなど、理科室の事故は多い。
背もたれに引っかかって、事故につながる可能性もある。
理由があるのだ。
黒板はグリーンなのに、なぜ、黒板と呼ぶのかも、目が疲れないようにするためだ。
1954年、JIS規格により、黒色から現在のグリーンに変わった。
国民健康保険なども、僕たちを守る制度だろう。
医療費がいくらかかっても、上限が一ヶ月8万円だから、大きな負担がない。
病院にベッドがないからと、高価な差額ベッドへ誘導されることがあるが
「無理です」
と、断れば、基本、無料で高価なベッドに移ることができる。
心情的に難しいかもだけど。
日本の制度は、よくやっていると思う。
ビジネスのことも考えながら…
四角い椅子を造ったり、グリーンの黒板を造ったり、保険制度を作ったり。外国で骨折や盲腸になると、数百万円の請求に驚くことになる。
ちょっと話はズレるけど、
多摩川河川敷グランドの下にある巨大な浄化装置を取材したことがある。
河川の水が通ると、浄化される仕組みである。
構造は簡単で、生物の力を使って浄化する施設だった。太陽とか植物、微生物が、多摩川を浄化する。
電力などエネルギーは、使わない。
実際、入り口と出口を比較すると、水は明らかにきれいになっていた。
「頑張って多摩川をきれいにしていたら、アユが遡上するくらいになりました。でも、マスコミは、いいことをいくらやっても、褒めてくれないんですよ。ナニかやらかしたら、一斉に叩かれるけど」
と、浄化施設の研究している方が笑いながら言っていた。
権力を監視するのがマスコミの役割だけど、実際は、本当にそうなのかな? と思うことがある。
批判や揚げ足取り、スキャンダルは、見ていて面白い。
視聴率は取れるし、新聞や雑誌も売れる。
権力の監視より、そっちの方が得意そうだ。
そんな報道ばかり触れていると、心がギスギスする。
特段面白くないけど「いいこと」を面白く読ませるチカラが、マスコミに不足している。
ザマァ見ろは簡単で、ある種の人たちを引きつける。ナニカを始めて、批判されると起業し辛いし。
理科室の椅子のように、ひっそりといいビジネスを面白く、紹介して欲しい。
マスコミより、これからのネットの役割なのかもしれない。
自分で発信したっていいのだ。
文:紙本櫻士
https://komezensen.jimdofree.com/
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