魅力的なコンテンツから市場が生まれる、令和のビジネス。
商品を売る。
ビジネスはシンプルである。
商品が不足していた高度成長期は、モノを作れば売れた。
テレビ、クルマ、家、冷蔵庫、洗濯機、ミニスカートみんなが欲しかった。
「デザインがねぇ」などと、細かいことは言わない。
家電は、シロモノで十分だった。
僕たちは豊かな生活を夢見て、つぎつぎと新しいモノを買った。
クルマは、3年でポンコツになり乗り換える。
これは、パソコンが出現した当初に似ている。
新品はたちまち陳腐化し、次々と僕たちは買い替え続けた。
1960年から70年年代にかけては、モノは選べなかった。
素敵な製品が「なかった」か、あっても高価で手が出ないのだ。
とりあえず、手に入れればよかった。
冷蔵庫もテレビも。
ところが、1980年代になり「優れた製品」が溢れ出した。
どれを買っても、もはや性能は変わらないのだ。
80年代は、モノを選ぶ時代だ。
自分のお気に入りで、空間を満たすことが幸せだった。
心地よい音楽、心地よい小説、心地よい家具で、部屋を満たした。
村上春樹の小説や山下達郎、大滝詠一の音楽が、80年代に必要だったのだ。
貧乏くさい4畳半フォークが「暗い」などと揶揄されていたのも、この時期だ。
2000年になると、もはや、心地よい空間にも飽きる。
次に起こったのが、多様性である。
人と同じはつまらない。
モノもいらない。
『断捨離』が流行り、『人生がときめく片づけの魔法』がベストセラーになる時代の到来だ。
するとヒットが生まれづらくなる。
一度に大量に作り儲けたい企業経営が、難しくなった。
モノを売るアイデアから、マネタイズするのが難しい。
分かりやすい市場がないか、小さいのだ。
クルマを作れば売れる時代は、もう、遠い過去だ。
ただ、新しい市場は、ネットにはあると思う。まだね。
僕たちが起業を考える時、興味があることや、やりたいことをネット発信し、市場を作るところから始めるといい。
幸い発信は、容易だ。
同じ嗜好性を持つ人たちが集まれば、市場が生まれる。
無償でも、自分のアイデアを広める必要もあるかもしれない。
「マネタイズはそこから」が、令和のスタートアップだと思っいる。
文:紙本櫻士
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