月見うどん、月見そば、月見めし。
そもそも卵が高価だったため、江戸時代に月見うどん、月見そばがない。
卵ひとつで、蕎麦が3杯食える勘定なら、
「卵をのせるなんて」である。
月見うどんは、卵が量産され安くなってからのアイデアだろう。
蕎麦も同じである。
おそらく昭和だ。
月見うどん、月見そば、は黄身だけ使うとよい。
白身を入れると汁がぬるくなるし、見た目も美しくない。
卵を入れて煮るなら、月と雲に見立てて面白いかもしれないけど。
月見めし、がない理由は量産された卵の品質ではないか。
新鮮で美味しいタマゴを使わないと、どうしてもメシが生臭くなる。
折角の銀シャリが、台無しなのだ。
醤油や出汁をかけるのは、生臭さを緩和するためもあるのだろう。
もちろん、新鮮な卵に少しだけかけるのはオツであるが、かけ過ぎは味を損ねてしまう。
つまり良質な卵とご飯は、月見めしにはかかせない。
シンプルがゆえにである。
余談だけど、紹興酒にザラメ砂糖を入れることがある。
実は、粗悪な紹興酒をごまかすために考えられたアイデアらしい。
酸味が強かったり、味が薄かったりするのを砂糖でごまかすのだ。
上質な紹興酒に砂糖を入れるなど、本来、ありえないのである。
シャトー・ラトゥールやマルゴーに、砂糖をいれるなんてとんでもないのだ。
現在、上質な新米と卵が手に入るように生った。
もちろん、選べばである。
新米が出回りだしたら、とっておきの卵とご飯の組み合わせで食べてみたい。
季節は、丁度月見の頃である。
月見は、日本の収穫祭だ。
日本の米前線が上がる月見の時期に、とっておきの月見めしをいただきたい。
良質な卵は、姿も美しいから、そこも味わいたいものだ。
日本の新しい食習慣、月見めしを、月見うどん、月見そばの三大月見としたい。
文:紙本櫻士
ラジオ版 トライ&エラー
【人気記事】
【ラジオ 起業でごはん!! 人気トーク】
【マンガな米前線】
コメントをお書きください